MLエンジニア見習いのスクラップブック

新米機械学習エンジニアによる技術ネタや備忘録

白金鉱業 Vol.10(一周年記念会)に行ってきた

お世話になっております。あずペロ(@azupero_adolph)です。 今回はデータサイエンティスト / 機械学習エンジニアの勉強会兼交流会として人気イベントである白金鉱業 Vol.10へお邪魔したので簡単にレポートをまとめてみました。

これは何?

  • DS / MLの勉強会兼交流会の白金鉱業に行ってきた(初参加)
  • 各LTや交流会の感想
  • 楽しかった(重要)

白金鉱業って?

データ分析を手掛ける株式会社BrainPadさんに所属しているデータサイエンティストが有志で企画しているデータ分析に従事するエンジニアたちのMeetupです。

brainpad-meetup.connpass.com

大体月一くらいの頻度で開催されており社内・社外の登壇者によるLTが複数あり、技術寄り、ビジネス寄りなどテーマに沿った内容のプレゼンが展開されています。またLTの後は参加者たちとの交流会が恒例となっているようです。

なぜ参加しようと思ったのか?

一つは機械学習やデータ分析の技術的知見を深めようと思い応募してみました。自分自身も現在はデータ分析業務に携わらせてもらっていますが、自職場ではなかなか専門的な内容については議論できる機会がありません。なのでつよつよなデータサイエンティスト集団を抱えるBrainPadさんが主催しているこの勉強会は自分の引き出しを増やす、気付きを得るまたとない機会だと思っていたからです。

二つ目はエンジニア同士の交流会です。自分の業界はIT系ではないために周りにデータサイエンティストや機械学習エンジニアと呼ばれるような人とはなかなかつながりが持てず、実際に業務に携わっている方々との交流はエンジニアの実際を知る上で大事だと感じていたからです。また現在機械学習エンジニアとして転職活動を行っているので色々とお話を伺ってみたかったというのもあります。

以下LTの内容をメモを元に感想をだらだらと書いていきます。

1. 機械学習で稼ぐための会計の話

登壇者:中山ところてん氏(株式会社NextInt)
(LT資料については後日公開予定とのことです。)

よくTwitterでお見掛けする方です。LTテーマは"機械学習とビジネス"。機械学習エンジニアやデータサイエンティストもビジネスマンの一員だから相手に伝えるときは相手側に伝わる言葉で自分のビジネスを語るべき。そのための共通言語として会計の知識は必要不可欠だよねという趣旨のお話でした。

会計の知識(固定費・変動費・利益・減価償却費)を元に機械学習案件をテーマとして機械学習システム・設備を導入するタイミングや、導入による利益変動の考え方といった内容を分かりやすく解説して頂きました。自分も学部生時代に履修した会計学の知識を思い出しながらこれまでキチンと考えてこなかった機械学習ビジネスの税制面との相性について学ぶことができました。

2. 音声データでつくるライフフィットメディア

登壇者:緒方憲太郎氏(株式会社Voicy)

2本目は音声メディアであるVoicyの代表である緒方さんによるLT。"音声データって面白い!"というメッセージを前面に出したプレゼンに終始惹きつけられました。今の時代はモニターから出力される映像や文字からスマホへと人間への情報伝達のファーストリーチが変化していて、今は更にスマートスピーカーの登場によって今後は音声がファーストリーチになる。そこで音声インフラ産業のプラットフォーム ・VUX文化作りをやろうという思いで設立に至ったという背景が面白かったです。

確かに最近はポッドキャスト市場も賑わいも見せ、スマートスピーカーもどんどん市場に登場しています。LT中にも仰られていましたが、印象的なワードは"音声データは感情(気持ち)が込められている"でした。音声データから得られるのはテキスト的な情報だけでなく、発話者の感情が包含されているということです。これを感情分析として捉え蓄積されたデータを可視化することでビジネス応用に繋がります。音声広告の不快率が低いというお話も印象的でした。音声広告は飛ばしたくならないというのは面白い話だなと。

3. データサイエンス系の勉強会を1年間毎月開催したら何が起こるか? ~白金鉱業1周年のまとめ~

登壇者:吉田勇太氏(株式会社BrainPad)
(こちらもLT資料については後日公開予定とのことです。)

最後は白金鉱業主催者でもあるBrainPadさんのリードデータサイエンティストである吉田さん。勉強会を主催する上での日程調整や準備といった設計方針・計画についてどのように行ってきたかをこれまでのデータを交え、本イベントを1年間続けてきたうえで得られた知見をご紹介いただきました。今後こういったエンジニア同士の勉強会・交流会を開いてみたい!という人にとっては(自分含め)非常に参考になる点が多かったです。

こういったイベントに参加するメリットとしてはモチベーション向上のウェイトが大きいと自分は感じています。社外の登壇者による技術的・ビジネス的なLTは非常に勉強になりますしLTという短い時間で集中して新しい知識が取り込めるのはとても良い刺激になると考えています。また、刺激をもらうという点においてはその後の懇親会でのエンジニア同士のコミュニケーションも大事です。社外のエンジニアと技術的なことをざっくばらんに話せる交流の場というのは自分の見解を広げるうえでまたとない機会だなと思っています。それは別に技術的なことでなくてもDS・ML屋の辛みといった愚痴でも構わないと思っています。

参加者の方々は「技術的なことを学び、持ち帰りたい」という人や「エンジニア同士の交流をお酒を交えて楽しみたい」だとか各々目的を持って参加されている訳ですから、勉強会兼交流会というイベントはこのような目的をもつ人々にとってそれを満足させるようなまたとない機会ですし、これに参加することは一種のデータサンプリングなのではないかなとも思っています。

4. 交流会

LT3本が終了した後は用意して頂いたピザや唐揚げ(7000円分!)とお酒で楽しく懇親会。同じテーブルを囲んでいたデータサイエンティストの方々と色々と情報交換を行うことが出来てとても楽しかったです。

5. マスクド・アナライズ氏による飛び入り?LT

交流会も終わりに差し迫ったころにアナウンス。自分もTwitter上でよくお見掛けするマスクド・アナライズさんによるLTが。AIブームとプロレスブームとの類似性を紹介しながら今後のAIブームを一過性にしないためにどうすればいいか?という提案でした。 AI活用の実現にはそれを支える制度や環境作りが不可欠という納得のプレゼン。持論ですがAI活用で業務改善!系が残念ながら頓挫してしまうのはお互いの"AIに対する理解度"の乖離が原因だと考えています。なのでAI人材をきちんと育てられるような土壌づくりや、エンジニア以外も機械学習に対して理解を深めていくことが求められるかもしれません。

6. ボストンコンサルティングさんによるLT

飛び入りのLTはもう一本ありました。AI人材育成を目的として、社会課題をテーマとして機械学習の実装スキルやビジネス課題能力の育成プログラムの紹介がありました。単にコーディングをするだけでなくビジネス課題の要件定義から機械学習のタスクに落とし込むまでのフローを学べる感じでとても面白そうだなと思っています。

まとめ

平日なので移動がきつかったんですが参加して本当に良かったなと思えるMeetupでした。今回のLTは機械学習ビジネスについての知見を得ることが出来ましたし、交流会ではDSの方々とのお話もすごく充実しました。またなにより自分自身もこの業界への転職に向けてモチベーションがまだ一段と上がり、一層自己研鑽に励みたいと思います。
設営していただいたスタッフの皆様、登壇者の皆様、参加者の皆様ありがとうございました!